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DELAY
ある窓が思い出させる景色
Light, Sound, and the Gap of Perception
DELAY
ある窓が思い出させる景色
Installation Art / Permanent Work
光と音は、同じ瞬間に発されても、同じ速度では届かない。 本作は、その“わずかな差”を装置化し、知覚として再構築する試みである。 窓をメディアとし、映像と音のズレが情緒を立ち上げる瞬間を可視化する。 鑑賞者は、現実と記憶のあいだに生まれる距離そのものを体験する。
STATEMENT|距離という知覚の装置
私たちは、光と音が “同じ瞬間に生まれた” という事実を、ほとんど意識しない。
光は 30 万 km/秒を進み、音は 340 m/秒しか進まない。
同じ出来事から発された2つの知覚は、世界を移動するうちに、気づかぬうちに途方もない距離を抱えはじめる。
この作品が扱っているのは、その「生まれた瞬間に裂けてしまう距離」だ。
光は景色をつくり、音は情緒をつくる。
ある窓辺の風、船の低い音、揺れる白いカーテン──。
これらは本来ひとつの現象だが、私たちの知覚に届くときには、時間のズレとして立ち上がる。
私たちはそのズレに意味を与えてしまう。
それは“記憶の回路”でもあり、“詩の始点”でもある。
窓を模した装置は、誰かの愛した風景を「ポートレート」として提示する。
プロジェクションはその風景を、現在の空間へ“憑依”させる媒介となる。
2つが同期すると、風景は現在になり、
ズレると、風景は遠い場所・遠い時間へと滑り出す。
知覚の距離が、情緒の距離を生み、
情緒の距離が、記憶の距離を呼び起こす。
私は、人間の五感が本来もつ“共通感覚(Common Sense)”──
見る/聞く/思い出す/想像するが、ひとつのまとまりとして働く領域を作品にしたかった。
日本人が長くアイデンティティの拠り所にしてきた「自然の情景」、
そして記憶の底に沈殿している“誰かの部屋から見える風景”。
その両方が、窓というメディアを通してゆっくり滲みだすように設計している。
光と音は、本来二度と同じにはならない。
それでも私たちは、それらを重ね合わせ、思い出し、解釈し、情緒をつくり、世界を読む。
DELAY は、その“知覚の裂け目”をそっと照らし出すための装置である。
CHAPTER 1|Perception— 知覚されないズレ
私たちは、光と音を「同時の出来事」として処理してしまう。
だが実際には、光はほぼ瞬時に届き、音は遅れてやって来る。
世界は常に“時間差”でできているにもかかわらず、
知覚はそのズレを捨ててしまう。
本作は、その“捨てられている差分”を拾い上げ、
鑑賞者を知覚の起点へ押し戻すための装置である。
CHAPTER 2|Generation— 窓が生成する時間
窓を模した映像装置に映るのは、誰かが愛した風景だ。
映像は「いま」を示し、音は「どこか(誰か)の時間」を語る。
一致すれば現在としてまとまり、
ずれれば記憶や情緒として遠ざかっていく。
窓というメディアは、内と外、現在と過去、
自己と他者の“距離”を静かに増幅していく。
CHAPTER 3|Definition— 距離がつくる情緒
光と音のわずかな不一致は、
本来なら知覚が無視する微小な誤差にすぎない。
しかしそれが“情緒”の発火点になることがある。
距離は単なる空間の量ではなく、
「感覚が生成される場」そのものだ。
その場を、映像・音・窓・プロジェクションの多層構造で
立ち上げることを本作は試みている。
Creative Process
Structure|距離そのものを構造化する
本作は、「窓とは何か」を再定義する試みである。
それは単なる建築的開口部ではなく、世界を媒介する装置=メディアとして捉え直されている。
窓越しに見るという行為は、対象と自分との“距離”を生み出す。
DELAY は、光・音・映像を使いながら、その距離を構造的に可視化する作品である。
観る者の中に眠る“誰かの風景”を呼び起こし、「記憶としての風景」**を空間に再生する。
Design|思い出のメディウムとしての窓
窓に映る風景は記録映像ではなく“風景のポートレート”。
誰かが愛した景色の“感情の重さ”を保持したまま、
現在の空間に転写されるよう設計している。
プロジェクションはその窓を異化させ、
現実の床・壁に“残像”として憑依させる。
Curation|シンクロとズレの編集
映像と音は完全同期する瞬間と、意図的に外す瞬間を混在させている。
同期すると“現在”が出現し、
ズレると“記憶の遠さ”が立ち上がる。
この揺れそのものを、鑑賞者の内側に発生させることが目的。
Finishing| 情緒の閾値への着地
プロジェクションの陰影、窓から漏れる光の速度、
床面に落ちる光の模様─
すべてを“どの距離で鑑賞者の感覚が反応するか”で調整。
空間全体を、情緒が生まれる寸前の「閾値」に固定した。
CONTEXT|知覚の距離を扱う試みとして
本作は、あなたが長年扱ってきた
「差異の知覚」「構造としての美」「感覚の閾値」というテーマの延長線上にあり、
特に近年の The Unchosen における
「見える/見えないの境界」「別のレイヤーとしての視線構造」
と響き合う位置にある。
写真、AI肖像、インスタレーション
─それぞれのメディアを横断しながら、
“知覚が世界をどう形づくるか”を探る実践の一部として存在している。
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