


店舗空間に飾る「新宿の写真」という依頼だった。しかし、風景写真をそのまま掛けても空間に意味は宿らない。ブランドが持つ「日常を美しく見つめるまなざし」を、一枚の写真に構造として埋め込む必要があった。問われたのは、何を撮るかではなく、この街のどの秩序を抽出するかだった。

新宿を3ヶ月に渡り歩き、切り取るべき構造を研究、検証、設計、選定した、街の構造と人の流れを"演劇的装置"として捉え、視点の設計によって日常に潜む物語を浮かび上がらせている。


PhaseOneによる超高解像度撮影を採用。都市の密度をピクセルレベルで保持するため、中判デジタルの情報量が不可欠だった。建築の垂直線と人の動線が交差する瞬間を待ち、構成的に整理された一枚を仕留めている。最終プリントは日本最大の大型プリンターの最高サイズで高精細に出力。展示環境の照明色温度に合わせ、シャドウの沈み方とハイライトの抜け感を現場で追い込んだ

Soup Stock Tokyo 新宿店の壁面アートとして常設展示されている。加えて、同社の年度ポストカードビジュアルにも採用され、店舗限定の写真が、ブランド全体の思想を象徴するイメージへと拡張された。「都市と生活を結ぶ」というブランドの姿勢が、一枚の写真によって視覚的に定着した事例となった。














