


6秒という極限まで圧縮された広告枠では、情報の認知とブランド理解が同時並行で起きる必要がある。
映像の中で、課題提示・解決・訴求カットは必ず必要、かつ、商品を常時フレーム内に提示し続けるという条件があった。
条件を圧縮して成立させるには、感覚的な判断ではなく、撮る前にすべての画角と要素を確定させる構造的な準備が不可欠だった。

映像の揺らぎを最小化するため、Unreal EngineによるリアルタイムCGプレビズを制作工程の起点に据えている。ハウススタジオを実寸でCG空間に再現し、アングルを決定した上で、コンテ絵のマテリアルをリアルタイムで書き出し2Dのコンテ化した。
コンテ段階から最終画角に近い映像を提示することで、関係者間の認識のズレを構造的に排除している。
仕上がりから逆算する設計を企画段階で完了させることで、現場での試行錯誤を極力省く狙いがある。あえて動画ではなくコンテ絵の2D静止画として出力するのは、撮影現場における判断の余地を意図的に残すため


プレビズによって画角を事前に確定しているため、多数のカットを1日で撮影する現場の時間的制約の中でも、画角判断に追われることなく、描写力を重視した単焦点レンズを迷いなく選択できる。1フレーム単位で演技・動線・商品露出を整理し、物理的なセットとCG上の設計図を完全に連動させることで、0.1秒単位の判断が求められる現場においても構成の破綻を防ぐ。わずか数秒の尺の中に「課題・解決・訴求」をすべて成立させられるのは、この緻密な事前設計があってこそだ。
撮影前に演技以外の技術的判断を完了させたことで、カメラマンがアイデアに集中できる余白が生まれ、コンテの想定を超えた強度の高いビジュアルへと着地。結果として、1日で8タイプという極めて効率的な撮影進行を完遂した。

「イメージ通りの仕上がり」という評価を得た。事前設計の精度が戻りを最小化し、短尺広告における構成力の実証となった。リアルタイムCGと実写演出の統合という手法が、高い精度が求められるクライアントの期待に応えれた要因の1つになっていると考えている。
ブランドの整合性と制作スピードの両立は、上流からの設計によってはじめて実現するものだ。
























