


建機メーカーのプロモーション映像は、製品スペックの紹介に留まりがちになる。求められたのは「街の暮らしを支える存在」としてのブランド認知。除雪作業そのものではなく、冬の都市を守る社会的な役割を可視化する必要があった。

除雪作業そのものではなく、「街と人々の生活をどう支えるか」を主眼に置く構成を選択した。要件である「信頼性」を成立させるため、吹雪や視界の白をあえてノイズとして取り込み、その中を突き進む重機の重量感と生活者の風景を交錯させる演出を採用。広告的なクリーンさを捨て、現場の厳しさをそのままトーンに落とし込むことで、機材の存在意義をより強固に提示する判断を下した。


真冬の北海道・留萌で撮影。除雪車の斜め前45度・3mの距離を保ちながらカメラカーで追走し、雪煙と車体の迫力を体感させるカットを収めている。雪景の冷たさと街の気配を同居させるため、現場で暮らしを営む人々のスナップを細断的に織り交ぜ、機材と日常の接点を1フレーム単位で編集した。カラーグレーディングでは白銀の世界に埋没しないよう黒を締め、重機の力強さを浮かび上がらせるルックに調整。雪景の冷たさと街の温度が同居するトーン設計を施した。編集では吹雪・車両の動き・人々の暮らしをリズミカルに縫い合わせ、産業映像を超えた物語性を持たせている。

製品PRを超え、地域社会を支えるインフラとしての建機の姿を具体的に訴求する映像となった。同社の公式プロモーションの中でも約41万回以上再生され高い反響を得ている。除雪を「社会を支える営み」として再定義するアプローチが、建機映像の表現領域を拡張した。
























