


テレビCMと連動するWEB・SNS展開は、本篇の世界観を「補完する」位置づけになりがちだった。しかしSNS上で単なるカットダウンや派生物として消費されれば、ブランドの文脈は薄まる。必要だったのは、本篇の空気を保ちながらも、WEB固有の軽やかさと拡散性を備えた「もうひとつの本篇」として成立させる設計だった。

要件であるシリーズの一貫性を担保するため、演技・表情・空気の密度によって「人が生きている場面」を描く演出を選択した 。タレント4名の個性が自然に伝わるよう、短尺映像や静止画の中でもキャラクター同士の関係性が滲み出す構成を設計した。


WEBムービーとスチールを同一現場で連動的に撮影 。限られた時間の中で複数タレントの表情を引き出し、設計と色のトーンを精密に統一することで、長期運用においても揺らぎのないルックを維持した 。キャラクターの個性が、設計された光の粒子の中に静かに立ち上がる瞬間を捉え続けている

大型クライアントの体制下で2年間、「安定した創造性」を保ち続けた。タレント・制作チーム双方との関係は回を重ねるごとに深まり、演出のリクエストへの応答速度と精度は着実に向上していった。初期に設計したトーンが判断基準として機能し続けたことで、担当者の交代やシーズンの更新があっても、世界観が揺らぐことはなかった。
シリーズは広告とエンターテインメントの中間領域に定着し、SNS上での継続的な認知を獲得。単発ではなく、構造によって持続する作品群として支持を得ている。
世界観を守りながら、軽やかに拡張する。大規模案件の中でも、演出の精度と安定性を両立する。それがこのプロジェクトで示した、ディレクションの基盤である。
























