JNTO

LIFE CHANGING JAPAN

Wild Japan, Captured

Black silhouette of a person holding a heart-shaped balloon.

JNTO

LIFE CHANGING JAPAN

Brand Storytelling/Cinematic Humanity

Director / Cinematographer/ Drone Operation/Location Scouting
風景は、記号ではない。心を書き換える「自然の構造」を射抜く。

① PREMISE | 前提の設計

アドベンチャーツーリズムの映像は「きれいな日本の風景」を見せることではない。海外の旅行者が画面を見て「ここに行きたい」と判断を下す——その瞬間をつくることが、この映像の仕事だった。

JNTOが推進するアドベンチャーツーリズムは、「見る観光」ではなく「体験を通じて自分が変わる観光」。映像もその構造に従う必要がある。風景を紹介するのではなく、自然の中に人を置いたとき、その人の表情や身体がどう変わるかを捉えなければ、ターゲットには届かない。

もうひとつ、構造的な難しさがあった。日本の魅力を海外に伝えるとき、日本人の感覚で7割は正解を出せる。だが残り3割——海外の人が本当に心を動かされる瞬間——は、作り手側には予測しきれない。その3割が現場の演出の中から自然に出てくるように仕向けること。それがこの案件のPremise Designだった。

−30℃の知床で、流氷の上に立った瞬間の出演者の顔。あの表情は台本では書けない。それを撮り逃さない体制を、撮影前に組んでおく。

「綺麗な風景」を超えるために必要なのは、自然の中で人が何を経験しているかを構造として捉える視点だった。

② STRUCTURE | 演出・構造の設計

北海道から全国各地へ、複数のロケーションを横断する撮影。企画自体には携わっていないが、撮影技術と現場のディレクション力、自然環境下での総合的な判断力を求められてアサインされた。

演出設計の核は「リアルな初体験を撮る」こと。出演者をロケハンには連れていかない。本番で初めてその場所に立ち、初めてその自然に出会う。その最初の瞬間の表情こそが、ドキュメントでありリアルだと考えた。やり直しはできない。自然の中でのシネマティックな撮影は、基本的に一発勝負になる。

だからロケハンを綿密に行った。光の方向、地形の構造、時間帯による空気の変化を身体で把握し、本番では出演者をどこに配置して、どの角度から、どの瞬間を狙うかを事前に設計した。ただし、ロケハンから本番まで1週間あれば天候も季節感も変わる。知床の流氷はロケハン時には存在しなかった。すべてを想像し、現地ガイドへのヒアリングと、自然を長年観察してきたアート制作の経験、そして個人的なスノーボードでの雪山活動の蓄積から、撮影構成を組み立てた。

各ロケーションの演出方針:東北ではリアス式海岸のトレイルや雪の山寺など、自然の厳しさと静謐さの中に体験者を置いた。京都北部では自転車で街と海をつなぐ動線を設計。道東では−30℃近い環境の中、朝5時前に屈斜路湖から釧路川を下り、流氷の上を歩く体験を、出演者の身体反応とともに撮影した。

③ INTEGRATION | 技術・実装と統合

凍結リスクを織り込み済みでシネマカメラを選択。アシスタントと2名体制で全ロケーションに対応した。ドローンも自ら操縦し、地上では得られない空間の構造——海岸線の曲線、山稜のスケール、川面の光——を切り取っている。

この案件で求められたのは、アドベンチャーカメラマンのアクティブな画でも、テレビ山岳カメラマンのドキュメンタリーでもない。広告の演出構成力を持ちながら、過酷な自然環境の中で撮影を完遂できること。頭の中で構図と編集を組みながら、自然というステージに体験者を放り込み、予測不能な瞬間を確実に拾う——その両立が、この案件における技術的な核だった。

仕上げのグレーディングでは、彩度に頼らず光の階調で「自然の質」を表現した。SNSで拡散されるシネマティックな画と、アドベンチャーツーリズムのリアリティが同居するトーンに着地させている。長年のアート制作で鍛えた「自然のディテールを観察する目」が、すべてのカットの判断基準になった。

④ VALUE | 変化・価値の結実

JNTO公式YouTubeを含むデジタル配信で世界に展開。日本各地の自然を「風景」としてではなく、「体験者の身体と表情を通じた物語」として構成したことで、観光映像の枠を超えた映像として機能した。

日本の魅力を海外に届けるとき、風景を見せるだけでは足りない。その自然の中に人が入ったとき、何が起きるか。そこに生まれる表情や身体の変化こそが、ターゲットである海外の旅行者に届く。その3割の正解を、現場で拾える体制を設計したことが、この案件の本質だった。

Start from the Premise.

企画書が固まっていなくても構いません。
構想段階の壁打ちから、演出、撮影、技術実装まで、
プロジェクトの状態に合わせて柔軟に対応します。
Night sky filled with countless stars and the Milky Way galaxy visible above a dark silhouette of trees.
Young woman in a light dress looking up against a clear blue sky.
Silhouettes of two people on a rocky hill during a colorful sunset with a starry sky.
Hand reaching towards bright sunlight with blurred green foliage in the background.

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