


若年層へのブランド認知。保険広告にありがちな真面目さ一辺倒では届きにくい層に対し、日常の「恋愛マナー違反」という親しみやすいテーマをフックにする必要があった。日常の小さな「イエローカード」を保険の大切さに繋げることで、ブランドをより身近な存在として再定義する設計が求められた。

題材に選んだのは「オフィスでの恋愛マナー違反」。保険から最も遠いように見えるテーマだが、"日常のリスク"という構造では地続きになる。この接続点を活かすため、コメディとラップを軸にした演出を選択した。歌唱にはZ世代との親和性が高いアーティストを起用し、主演にはコミカルな芝居のキレを持つタレントを据えている。「笑い」を入口にしながらも、ブランドのメッセージが最後に残る構成を優先し、情報の順番と密度を企画段階で確定させた。


TAUMAが映像の構成・コンテに合わせてラップの歌詞を書き下ろし、楽曲と映像のリズムを完全に同期させている。歌唱はZ世代に支持されるアーティスト吉田凜音。撮影はオフィスセットを舞台に、カラフルな照明設計でコメディのテンションを視覚的に担保。芝居のテンポと歌のビートが噛み合うよう、カット割りを楽曲の小節単位で設計した。モーショングラフィックスと3DCGをラップのフレーズに連動させ、画面全体がリズムに乗る構造を構築。ポストプロダクションでは、色味とグラフィックスのトーンを統一し、コミカルでありながら品位を崩さないラインを詰めている。

保険広告の定型から外れたアプローチにより、「面白い」「親しみやすい」という反応を獲得。真面目さ一辺倒では届かなかった層に対して、ブランドとの最初の接点をつくることに成功した。音楽・映像・モーショングラフィックスを一体で設計したことで、制作途中でのトーンのブレが発生せず、企画時の狙いをそのまま最終形に着地させている。
























