


Jun Futamata氏がアイスランドで制作した楽曲「胎盤 feat. Salyu」。Salyuの歌声とSiggi String Quartetの演奏が持つ有機的な深みに対し、実写ではなくCGで応答する必要があった。自然現象の形やリズムをデジタルに再解釈し、音楽と並走する視覚体験——「デジタルネーチャー」を創出することが求められた。

実写素材を一切使わず、フル3DCGで「デジタルネーチャー」を創出する方針を選択した。自然現象の形態やリズムをデジタルに再解釈し、現実には存在しないが、生命のふるまいを感じさせる映像世界を設計している。色彩はビビッドトーンを基調に、有機と無機の共鳴を狙った。また、編集の方針として、MVに多い短尺カットの連打ではなく、「長いストローク」で映像を紡ぐ構成を選んでいる。直情的な高揚ではなく、余韻が持続する読後感を優先した。


フル3DCGを1人で制作。シェーダー、モデリング、レンダリングを駆使し、質感と色彩を一貫したトーンで設計した。ディテールの積み重ねとダイナミックな動きの設計によって、生命体のように呼吸するCGを完成させている。音楽の構造に沿い、詩的なテンポで流れるカットを配置。企画・演出・アートディレクション・CG・編集のすべてを一貫して担うことで、音と映像の間に介在するノイズを排除した。

「音楽とCGが共鳴するデジタルネーチャー」という、従来のMV表現の枠に収まらない視覚体験を提示できた。企画からCG・編集まで全工程を一貫して設計したことで、判断の分岐による意図の摩耗が発生せず、音楽と映像の関係性を最後まで有機的に保持している。アート的な構造設計と、完成品としての強度を両立させた制作体制そのものが、この作品の説得力を支えている。YouTubeなどで公開。
























